【高校新入生の英語 ( 入学前の学習 ) 】
高校1年生の1学期、英語の授業で、高校生は中学校3年間に学習した文法を総復習します。新出英単語は出てきますが、教科書の英文は中学で習った英文法で理解できます。1年生向けのほとんどの教科書がそのように編集されています。
高校入試に合格しても、中学の英語を完璧に理解しているわけではありませんから、自然な成り行きです。
神経心理学の研究によれば、15歳前後に脳神経系の成熟がスパートします。理解力が飛躍します。12歳の思考レベルを超えた内容を理解できるようになります。中学の復習はこの事を配慮しないと、「幼稚なことのくり返し」と感じられてしまいます。
中学内容を、少しだけ高いレベルから復習する教材、いくつか探しましたが、次に挙げる教材を使用しています。
中学内容の文法の活用力に欠けても、高校の英文を訳すことはできます。しかし、発話と作文、発信する英語力を身につけることは難しくなります。最近の定期テストと大学入試は、訳すだけでなく活用する力を試してきます。
また、せっかく勉強するのなら、学校卒業後の人生で役立つ『発信して交流できる英語』を、との願いを込めています。
20年前にこの教材を初めて目にした時、「体裁を気にせずによくここまで実用的に」と思いました。部分的に1年生から使用しています。志望校の難易度が高く英語が得意な場合は、1年生から文法テキストとして使用します。
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まずは巻末の参考文献から。参考文献があげてある学習問題集は珍しいです。なんとなく怪しげな著者の方もお見受けしますが、それは20年前のご愛嬌ということで。
教材は『都麦出版 みるみるわかるスーパー英語Vol.1,2 』です。
参考文献はさらに続きます。
フォニックスの復習を発音記号の復習を兼ねてしました。
「都麦出版 みるみるわかるスーパー英語Vol.2」より
前置詞の復習をしました。中学卒業時点でこれに全問正解できたら立派です。
「都麦出版 みるみるわかるスーパー英語Vol.2」より
中学の教科書には出てこない所有格の関係代名詞も載っています。予習を兼ねて練習しました。
「練習」と書きましたが、学校の授業に合わせてこの問題集を使用する時、それから、苦手な人のさかのぼり復習に使用する時は、書き込みはしません。書き込まずに口頭で答を言う「練習」を徹底します。
「都麦出版 みるみるわかるスーパー英語Vol.2 」より
こんな調子で説明と問題が続きます。実際、英語は、これくらいは練習しないと身につかないと思います。
この問題集のよくできたところは、例文をいくつか暗記しているだけでは歯が立たないことです。見せかけの理解でうやむやにできないように工夫されています。
さすがに1年生から2年生で全部こなすには難しいので、主に3年生夏からの受験対策に使用しています。
また、Vol.1の前半は、意外と「英語が特に苦手だ」という生徒さんのさかのぼり補習に活用できます。中学生なりの思考力をせいいっぱい働かせてちゃんと理解しないと、一つも答えられないように工夫されているからでしょうか。
次のページの右側コラムの問題『Drill &Check』、傑作だと思いませんか?
この問題集に出会う前は、同じような問題をその場で即興して練習していました。
このコラムの問題を使って練習すると、苦手な人でも、それまで長い間できなかったことができるようになります。
「都麦出版 みるみるわかるスーパー英語Vol.1」より