【算数と数学のさかのぼり復習用手作りプリント】
小学校5年生で割合とその応用(パーセント・歩合)を学習します。
算数・数学が比較的得意な場合、教科書を学習した後に、割合からパーセントまでが混ざった次のような教材で練習します。
(育伸社「錬成テキスト小5算数」より)
これからすぐに次のような練習問題に挑戦できます。(このタイプの問題集は得意な人向けです。さかのぼり復習には使用していません。)
(育伸社「錬成テキスト小5算数」より)
しかし何といっても、割合とパーセント・歩合はみなさんとまどう単元です。ふつうはそんなに簡単にはいきません。そこで、次のような教材を繰り返し練習します。割合とパーセント・歩合は分けて、ステップを踏んで練習します。
さかのぼり復習にもこのタイプの問題集を使用しています。
(育伸社「錬成テキスト習得編小5算数」より)
「割合は基にする数の何倍かを表している」としっかり理解してから、パーセントと歩合も「基にする数の何倍かを表す方法だ」ということを練習します。
さかのぼり復習の際は、上の2つ目のタイプの問題を繰り返し2日練習します。割合について繰り返し練習してから、パーセントと歩合へ進みます。
そこで次に使用するのは、下に表示するような「パーセントと歩合を使った、割合の問題と同じタイプの問題」です。パーセントと歩合を少数になおせば、すでに練習した割合の問題と同じになります。それに気づくように練習を進めるのがポイントです。
パーセントと歩合の練習は、割合の練習より時間がかかります。2倍の時間がめどになります。
算数・数学が特に苦手ではない人は、割合からパーセント・歩合への連想は直感的にこともなく進みます。
苦手な場合、割合の問題でつまずいた点でもう一度つまずきます。ここでも練習のポイントは、パーセントと歩合は「基にする数の何倍かを表す方法だ」と理解することです。
小学校3年生で学習する「割り算と掛け算の関係」の理解が割合の理解を支えています。
割り算をすると「割られる数は割る数の何倍か」が示されます。
この理解に欠けるか、または、計算式についてのこの理解を文章が表す現実の場面に当てはめられないために、割合からパーセント・歩合が分からなくなります。
練習の中では、「基にする数」を強調します。「比べる数」という言い方は、同時に考えようとすると混乱してわからなくなりますから、意図的に使いません。
また、「1と見る数」・「1とする数」という言い方も、苦手な場合、割合とパーセントが理解できなくなりますから使いません。
(育伸社「錬成テキスト習得編小5算数」より)
さかのぼり復習はこの2番目のタイプの、割合とパーセント・歩合を分けて練習する教材でうまくいくことが多いのですが、算数が特に苦手な時は、次のような手作りプリントで練習してから、このタイプの問題へ進みます。
割合は、比べる数が基にする数の何倍かを表している数値ですが、この点の理解に欠けるとわからなくなります。
割合の数値からは倍という言葉が省略されています。このことが理解を妨げるようです。
まずは次のようなプリントで、割合の数値の後に『倍』という言葉を書き添えてから式で表す練習をします。これはしつこいくらい徹底します。この作業を省くと、苦手な場合できるようになりません。
□のある式は「□=・・・」の形でなく、文をそのまま「□×◎=▼」と式で表す練習をします。
このとき、「人間は回り道をして考えられる方が賢い」とくりかえし伝えます。
「答=・・・」と暗算で即答する方法から、式を立ててから変形して答を出す方法への飛躍が、小学校高学年から中学へかけての大切な学習課題だと、くり返し強調します。
割合が苦手だと、最初、「2÷4=2」と答えることがよくあります。その場合「2は4の何倍ですか」という問題にも、「2」と答えます。「何倍か質問されたら大きい数を小さい数で割る」と誤解しています。「◎は▼の何倍ですか」という文の意味を、「◎÷▼」と理解していないことがしばしばあります。。
それを修正するために次のような問題を練習します。数字を手がかりに正解を暗記して乗り切るストラテジーを取れなくするために、数字は限られた組み合わせを使用します。
小学校の授業に合わせて、最初に載せた2番目のタイプの問題で練習がすんなりと進む場合は、5年生の終わりには、次のような問題はパスしています。
苦手な人は、6年生や中学生になってからのさかのぼり復習で、次のような問題に最初は一つも答えられないことがありますが、30分ほどの練習で間違えなくなります。
そのあとに2番目に載せたようなタイプの問題を使って練習します。その時も、割合の数値の後に『倍』という言葉を必ず書きそえて練習します。これをはぶくと何回練習しても元の木阿弥になります。
特に苦手な科目は、大人の感覚からは予測できないところで、つまずいていることがあります。さかのぼり復習の際は理解のステップを基本から確かめます。
また、苦手な科目は、その科目が特に得意な人のまねをしないことも必要です。得意な人が人前で見せるパフォーマンスをついまねたくなりますが、そこは大切なこらえどころです。
苦手科目のさかのぼり復習には時間と手間をかけた練習が必要です。学校の授業に合わせた授業にくわえて、テーマ別短期講座をご利用ください。
この他にもいろんな工夫をしています。問題集の問題文は、練習のたびに消しては書き込む書き込みで黒くなります。それは企業秘密です。授業でご体験ください。
生徒さんの年齢に合わせて、わかりやすく効果的な学習方法を工夫するために、視野を広げてこんなことも調べて研修しています。