【数学研修から(進みぐあい)】 2016年/11月/27日
中学生が苦手な数学を学習する際の気持ちを疑似体験しようと、10月から数学
小学校と中学校で学習する内容が、より高度な科学の中でどう生きるのか、それ
がかいま見えたりするところは楽しいのですが、・・・難しいです。
このテーマを選んだ理由は次です。主に2つあります。
① 中学生は12歳前後の精神的発達の節を超えて、それまでは考えられ
なかったことを学習します。
高校の数学までしか正規に学習していない私が、真剣に学習したこと
がない大学初年度の内容を学習してみることで、中学1年生が遭遇す
る困難と努力を模擬体験できるのではないか。
② 思考方法として、今までしたことがないより上の内容を学習すること
で、今までしていた思考操作について処理能力は変化するのか、もつ
れの解消のようなことが起こるのか、指導方法を考える際のヒントを
体験できるのではないか。
教材は、東大で電磁気学を専攻する1年生向けに開かれた講座の教材を利用させ
ていただいています。
2016年版教材を利用するのはさすがに気が引けましたので、5から6年前の
ものです。
内容は「多変数関数の微分」と「電磁気学で使う数学」です。
理工系の方には常識かもしれませんが、心理学専攻の私には疲れます。
中学生が難しい内容に挑戦するときに、突然寝てしまうことがありますが、何回
もそうなりました。
わかったと思うと、次の瞬間疲労で居眠りしていたりします。
多変数関数の微分は ① ② ③ ④ が終わり、⑤ に入りました。
電磁気学で使う数学は多変数関数の積分が中心ですが、①
② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦が終わ
り、⑧ をしています。
書き込みしながら悪戦苦闘していま
す。理解してもとにかく忘れます。
各回を3 回から5 回精読しないと全
体の関連が頭に残らず、次の回へ進
めません。
これは歳のせいもありますが、中学
生が苦手科目を勉強する時も、事情
は同じかもしれません。
3回復習が必要と言うのが、大方の
教育関係者のご意見かと思います。
とにかく、中学生は、成績が良い人
以外、ほうっておいたのでは復習を
しません。
何と言いますか、働かなくてよい隠
居の身分だったとはいえ、50代で
数学を勉強した、あの伊能忠敬はや
はり立派です。かないません。
左下に書き込んだ図にいたっては、
一度アップロードしてから間違いに
気づき、修正しました。
とりあえず、今まで慣れ親しんだ思
考操作内容について、ある種のもつ
れの解消が起こるようです。
中学3年生まで、苦手なことを努力
して練習していた場合、習得をさま
たげていたもつれがほどけることが
あります。
補償機能の発現なのか、バイパス機
能の成立なのか、働かなかった機能
が働きだすのか、学習指導している
ものとしては理解したいところです。
塾の授業で関数のグラフを学習する
ときなど、計算だけでなく、できる
限り図を描いて考えられるようにし
ています。
その際、塾生のみなさんがひるまないように、「簡単簡単…」とか言いながら
ヒントを出したり説明したりすることが多いのですが…
自分で図に補足説明を書き込むはめになると、中学生のみなさんの気持ちが良
くわかったような気がします。
読んでわかったつもりになっても、いざ図を描いてみると・・・
数十年前の、自分が中学生の時の記憶は、おぼろになってしまったことが多い
ですから。
英語イマージョン教育にご関心がお
科書(pdf)をどうぞ。
左のシリーズの説明がわからなくな
って参考にしましたが、日本語で大
枠を把握したうえでなかったら、私
には理解できなかったかと思います。
説明方法の路線としては東大の教材
と共通しています。図に表したイメ
ージを大切にしていますので、門外
漢にも、何を言っているのか直感的
に把握しやすいです。
これも理系の方には笑われてしまう
と思いますが、全微分の説明に出て
くるΔf = fx(x, y)Δx + fy(x, y)Δy + ε(x, y)
と言う式の ε(x, y) が、Xとyを任意
のパラメータで座標系で表しても等
式が成り立つ、という意味らしいと
思いいたりました。
認知発達心理学でワーキングメモリ
ーを提唱したオリジナルの学者たちは、多分、こんなことも頭に思い浮か
べていたのでしょうね。